設計チーム
電柱の話
電柱の話
街でよく見かける電柱ですが知ってるようで結構知らない事が多いようです。
電線共同溝の設計をする上でこの電柱は切っても切れない存在です。
そこで電柱の事を少し調べてみました。
電柱の種類
電力会社→送電・配電を目的に設置する電力柱(でんりょくちゅう)、
通信会社→通信(電話等)を目的に設置する電信柱(でんしんばしら)、
共用の共用柱(きょうようちゅう)などがあります。
電信柱(でんしんばしら)という呼び方が世間では一般的ですね。
電柱の主な目的
- 送電線による電力の供給
- 電話線、光ケーブル、ケーブルテレビ等の通信線路
- 街路灯
- 交通信号機
- 交通標識
- 無線の中継局、基地局
- 電柱広告
最近ではインターネットの急速な普及により光ケーブルの設置がかなり進んでいますよね。添架されてるケーブルをよく見てみると長方形の箱のようなものがあります。
詳しくは分かりませんがあの箱が設置されてる線が光ケーブルだそうです。
電柱の材質
電柱は当初は木製のものが多く、スギ品種である「ボカスギ」が電柱材用としして富山県で盛んに栽培されていましたが、昭和初期ごろから耐久性や耐火性に優れたコンクリート製の電柱が製造され始め、現在ではこれが主流となっています。
現存する最古のコンクリート製の電柱は、函館市末広町にある1923年10月に函館電力(現在の北海道電力)によって建てられた四角錐形のものだそうです。90年以上も前からコンクリート製の電柱があったとは驚きです。
また木製電柱には十分な防腐剤処理がされているため、不要となった木製電柱を回収し、ガーデニングやオブジェ用として利用しているところもあるそうです。
電柱の所有権
電柱の所有権は敷設者である電力会社、通信会社などにあります。所有者は標示されており、同じ電柱に複数の事業者の管理番号表示がある場合最も地面に近いところに標示のある事業者が所有者と決められてます。逆に、管理番号表示で共架または共と記載のある事業者は自社の所有物でない電柱という事です。また、柱上変圧器が設置されている電柱の所有権は電力会社のみの場合もあるそうです。
ここで柱上変圧器って何?って疑問が出るかと思いますが電柱を見てみるとたまに上の方にドラム缶みたいなものがあるのを見かけます。それが柱上変圧器なんです。
電力会社所有の電柱を通信会社が利用する場合もありますし、通信会社所有の電柱を電力会社が利用する場合もあります。
管理番号ってカタカナとか数字とかの羅列されてる暗号みたいなやつです。
電柱に電線・通信回線などのケーブルを架設する場合は、電柱の所有者の事前許可が必要で、ケーブルを敷設する事業者は所有者に対し電柱の利用料(共架料)を支払う必要があります。また、地区によっては電力会社と通信会社が、交互に電柱を建てることによって、利用料を相殺している場合もあるそうです。
道路の左側が電力柱で右側がNTT柱という場所けっこう見かけます。
電力と通信で共用されている電柱の場合、基本的には高い位置にあるのが電力線、低い位置にあるものが通信線(電話線、光通信ケーブル、ケーブルテレビの同軸ケーブルなど)と決められています。
公道に敷設されている電柱は、その土地を所有する国、自治体などから占有権を取得して設置しています。
電柱の将来
電柱というのは歴史も古く調べてみると奥が深いものだと思いましたが環境・福祉などの側面でいくとやはり無電柱化が一番望ましいものだと思います。
しかしながらコストパフォーマンスを考えると今すぐに電柱が消えて無くなるなんて事もありません。
そういう意味では電柱をもっと真剣に考えていく必要もあるかも知れません。